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2005年07月01日
「痛い」という勇気
Hawks新垣が6月30日、ファームで投げ、3回を2安打無失点。オールスター明けの復帰が濃厚だ。
実に、6月3日のGiants戦以来のマウンド。
昨季は、25試合に登板、11勝をあげチーム最多勝、9試合完投、177奪三振の奪三振王、防御率3.28という成績だったが、今季は11試合、4勝3敗、完投は1試合(完投負け)のみ、無失点で切り抜けた試合もなく、防御率4.06と開幕から不調が続いていた。そして、一度も150km/h台を記録していない。本人は
「力を抜いている? 本気で投げていますよ。」
と苛立ちを隠せずに話していたという。
そのGiants戦翌日に出場選手登録を抹消されたのだが、そのときの王監督の説明は
「ちょっと(2軍で)調整させる。本人も納得がいかないだろうし。」
というものだった。
だが、27日ぶりのマウンドになったのには理由があった。
「ひじ、足首、いろいろなところが痛かった。」
ファームに落ちて、そこで初めて、体の不調を明かした。
気持ちはわかる。投手に限らず野手もそう。
今のHawksのようにチーム内の競争が激しい状態で休むと、その間にポジションを奪われる。
開幕ローテでは左の和田に次ぐ2番目を任され、斉藤和巳のいないなか右のエースとしての自負もあったに違いない。
厳しいプロの世界だ。痛いところがない選手なんていない、という選手もいる。
だが、肘と肩の痛みだけは我慢してはいけない。野球選手として選手生命に関わる致命的なトラブルを引き起こしかねない。痛みを押して投げても、本来のピッチングができるはずもなく、チームにも迷惑をかける。肘、肩の痛みは投げながら治すなんてことはできない。投げないしかないのだ。逆に言えば、痛い状態で投げたなら確実に悪化する。結果、自分の才能を蝕み、手術などで治したとしても、2度と腕のしなやかさは戻ってこないことも多い。
プロとして。
痛みを押して試合に出続けるのもプロ。
だが、これは痛みを我慢して出場しても、そのうち回復を期待できるような部位の場合に限っての話し。
肘と肩は、痛みが出た以上、使えば使うほど悪化する。そして選手生命をも縮める。
それを判断するのもプロだ。
例えば、ずっと優勝から遠ざかっている、もうあと2年も3年も現役を続けることはできないだろう、といったベテラン投手が、今季を逃すともう優勝のチャンスは無いかも知れない、といった場面で痛みを押して登板する、というのは、もう本人次第、自分の野球人生に悔いを残さないためにも、残り1、2年の野球生命と「優勝」を天秤にかけての話だから、またちょっと違う。
だが、新垣の場合は、まだまだこれからの選手。未来があり、チームも充実している。極端な話し、数ヶ月、ゲームを離れたとしても、その方が選手生命は絶対に長い筈だ。
いろいろな状況から「痛い」とは口に出しにくい状態だったとしても、「痛い」と口にする勇気、それを持つのもまた「プロ」である。
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