« V1、10勝投手、永井も戦力外 | Main | 永井の戦力外は、現役復帰も見据えて »
2005年10月01日
野球人気と視聴率
少し前の話になるが、今季のGiants戦年間平均視聴率(関東地区)が10.2%と報じられ、相も変わらず、野球人気の低下云々という論評も聞こえてくる。
その一方で、北部九州地区(福岡市内中心部と北九州市)で、Hawks戦の今季年間平均視聴率は14.6%を記録している。
福岡ソフトバンクの年間平均視聴率が北部九州地区(福岡市内中心部と北九州市)で14・6%を記録したことが30日、ビデオリサーチの集計で明らかになった。ちなみに、今季の巨人戦の年間平均視聴率(関東地区)は10・2%。Gブランドを大きく上回るホークス人気が証明された。
数値は、NHKと民放5局が放送した公式戦59試合(地上波のナイター中継のみ)の平均値。
もう一度この話題をきちんと取り上げたい。
自分は既にプロ野球の全国一元放送というのは、今後有り得ないと思っている。
今頃、Giants戦の全国放送の視聴率を尺度に、プロ野球人気を語っていること自体が、ナンセンスだと思うのだ。
先ず、第一に一般論として、娯楽の多様化。
「巨人、大鵬、卵焼き」に象徴されるような、老若男女を問わず、国民全体に共通の娯楽というもの自体、もはや有り得ない。それは、大晦日のNHK紅白歌合戦の抱える状況と同様だ。
第2に視聴環境の変化。
生活も多様化し、昔なら一家に1台だったTVが家庭に複数台数存在する。
昔は親父が野球を観てれば、他の家族は野球を観たい観たくないに関わらず、一緒に野球を観るか、本を読むなりなんなりと、他のことをするしか選択肢がなかった。
今は、自分の部屋で他の番組を観ることが出来る。それは当然視聴率にも反映される。
第3に、メディアの多様化。
インターネットもCS放送もなかった頃のことを、想い出していただきたい。
Giantsファンでないファンが、如何にして自分の贔屓球団の試合経過をチェックしていたか。
手段は、ラジオかTV...そう、全国一斉放送のGiants戦しかなかったのだ。
だから、Giants自体はどうでもよくとも、取り敢えずGiants戦をつけていた。そして、間違いなく、今より頻繁に他球場の途中経過を報じていた。
今はその必要がない。
インターネットがある。携帯でもチェックできる。
CS放送やケーブルテレビでそのものを観ることもできる。
だから、取り敢えずでもGiants戦にチャンネルを合わせる必要がない。
これは大きなポイントだ。
特にCS等の有料放送、ゲーム開始から終了まで確実に観ることができるため、本当に好きな熱心なファンほど、こちらに流れるものと思われる。要らん芸能人がワーワー、ギャーギャー騒ぎ立てることもないし。
野球の視聴率を語る際に、これが完全に無視されている。おそらくGiantsファンという尺度でしか、ものを観ていないからそうなるのだろうと想像するが。
そして、第4に野球ファン自体の多様化。
例えば、冒頭で取り上げた九州の野球ファン。
一昔前ならGiants戦を視聴していたであろう九州の野球ファンが、今はHawks戦の中継に流れている。
仙台も同様だろう。TVの視聴に限らず、以前は何となくGiantsを応援していた野球ファンが、Eaglesの応援をするようになっている。
冒頭にも紹介したように、Hawks戦の視聴率自体は順調に伸びている。
Hawksの福岡、九州での成功を皮切りに、札幌に移転したFighters、仙台に拠を構えたEaglesと、地域密着を目指す球団も増えている。
まともに考えれば、Giants人気に「おんぶにだっこ」の今までがおかしいのだ。
例えば、88年時点で言えば、関東に、Giants、Swallows、Whales(BayStars)、Fighters、Orions(Marines)、Lionsと、実に12球団中6球団が集中。
そして、関西に、Tigers、Hawks、Buffaloes、Bravesの4球団。
関東、関西で、10球団。それ以外といえば、名古屋のDragonsと広島のCarpのみ。
普通に考えて、これで成り立つわけがない。
いや、実際、パ・リーグは成り立っていなかった。
セ・リーグは、関東にGiants、関西にTigersがあったおかげで、かろうじて何とかなっていた。
これからは、各球団がなるべく地方都市に分散し、それぞれの地域での密着を進めるべきなのは疑いの余地がないだろう。
サッカーの新潟の観客動員、そして、仙台でのEaglesの観客動員が示すように、地方都市のファンは地元のスポーツに飢えている。他所の都市にチームができ、マスコミに取り上げられる度に、それを羨み、地元のチームを渇望している。
そして視聴率という点で言えば、現に関西や福岡では地元チームの放送で数字がとれているのだ。札幌、仙台も同様。
即ち、今後は、同じ時間枠を使って、各地方で、その地方にフランチャイズをおくチームの試合中継を行っていく、それしかないと思う。
もはや、当然の認識として、日本全国津々浦々の人間が一律にGiantsを応援するなんて、とうの昔に有り得ない。
だが、野球の放送で視聴率をとれないかといえば、全くそうではない。
要は、「全国一律のGiants戦放送」というのが視聴者のニーズを満たしていないだけで、断じて野球自体の人気低下を示すものではない、ということ。
最期に、世間では、野球はサッカーに追い越されたとか何とかいわれているが、こういう数字があるので、紹介しておきたい。
ネットレイティングスという、言わばWebのビデオリサーチとも言える会社のレポート、『ネット利用では野球が復権』にあるデータである。
スポーツニュースやスポーツ情報の中でも「プロ野球」は最も人気が高いコンテンツとなっています。例えば「Yahoo!スポーツ」におけるメニュー別訪問者数をみると、プロ野球は333万人で他の競技を圧倒しているほか、それに加えてMLB(米メジャーリーグ)も53万人が訪問していました。
何度でも言う。
Giants戦の視聴率低下=野球人気の低下、ではない!
断じて!
野球の未来はある。間違いなく。
今ならまだ間に合う。
Trackbacks
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.zetton05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/1671
Comments
はじめまして。
僕と同じことを考えている、ということで嬉しくなってトラックバックしました。
突然のTBで驚かせてしまったらゴメンナサイ。
それでは。
投稿者 blueberry : 2005年10月10日 19:30
blueberryさん、初めまして。
今後ともヨロシクお願いします♪
TB先のエントリー、拝読させて貰いました。
全くもって同意見ですね!
本来、
Giants戦の視聴率≠野球人気
なのですが、あたかも、
Giants戦の視聴率=野球人気
であるかのように報道され、また判断されることで、Giants戦以外のゲームのコンテンツの価値を鑑みないまま、野球自体が放送される機会を失いかねないということを心配しています。
例えば、福岡や関西は、もはや視聴率がとれることが分かっていますから、Giants戦の放送枠とは全く関係なく放送枠を確保できますが、その他の地方で、今からこれを始めようと思った場合、最初はやっぱり、キー局が持つGiants戦の放送枠を、各地域で地元球団の放送に振り替える方がハードルが低いわけです。
でも、このままGiants戦が放送されなくなっていったら、地方局にとって、そのチャンスが失われてしまうことになりかねません。
何にせよ、昭和30年代の時代錯誤な発想から早く抜け出して欲しいものです。
投稿者 HiRO@zetton05 : 2005年10月10日 20:35
ちょっと立ち寄らせてもらいました。
ブロガーの主旨は(関東甲信越を除く)地域では野球はまだまだ人気ということですが(東北の楽天人気はちょっと議論の余地があるが)肝心なことは関東も日本の一地域(しかも国内経済規模最大の)であり、ここの地域を切り捨てるような発言に聞こえる”地方ではまだ人気”を連発することが野球にとってプラスかどうか考えるべきではないでしょうか?
福岡や関西は野球について脱東京全国コンテンツでいかざるを得ない情況ですがそれはそれなりに経済的に影響を受けることを覚悟すべきと思います。(阪神球団も脱東京コンテンツによる影響は認めている)
関東の野球離れ最大の原因は、関東地区全域に地域密着した球団がなく、巨人に変わる受け皿を他のプロ野球球団が担えず、顧客をジーコジャパンや浦和レッズなどに奪われたことが原因と思います。
投稿者 とむ : 2006年04月16日 09:27
とむさん
コメントありがとうございます。
自分が言及したかったことと、とむさんの解釈にズレがあるようです。拙い文章ゆえご容赦ください。
> 関東も日本の一地域であり、ここの地域を切り捨てるような発言に聞こえる”地方ではまだ人気”を連発
全くそのようなことは書いていません。良くお読みいただければ幸いです。
2つ、曲解なさっている点があります。
先ず「地方ではまだまだ人気」ではありません。地域密着型で地方に球団が分散することによって、「まだまだ野球ファン開拓の余地が充分にある」というのが、自分の主張です。
それと、重要な点ですが、「脱関東」という主張は一切していません。
「地域密着=脱関東」ではありません。
当然、「地域」ですから、日本全国、関東も含まれますし、関東に地域密着の球団があって然るべきだと思います。関東を切り捨てる意図は全くありませんし、とんでもない。
東京で生活していれば分かりますが、Giantsは他の球団のフランチャイズ地域のように「自分達のチーム」と意識されていない。
ま、東京自体が、自分も含め地方から出て来た人間が集中していることも無関係ではないでしょうが、Giantsは、読売新聞と日本TVの武器として、全国をターゲットにしてきた、そのモデルが災いし、地域密着できていないのが現状です。
他の球団がフランチャイズ地域での地域密着をうたい、その地方でなんとはなしに漫然とGiantsを応援していた人々が地元球団の応援をするようになった。かたや、東京で生活する人間にGiantsを「自分達のチーム」と意識させられていない。
といった状況下で、「Giants戦視聴率=野球人気」というマスコミの論調に対して、上記のようなエントリーを書いたまで。
とむさんのご主張と基本的には変わらないと思いますよ。
投稿者 HiRO@zetton05 : 2006年04月16日 11:58
コメントバックありがとうございます。
地域密着でプロ野球は脱関東ではないとのことですが私はそれは”事実上”脱関東を意味しているものと思います。なぜならば、情報経済の中心はまぎれのなく東京でありそこで成功した商売が全国へ行くという宿命を日本が背負っているからです。
地域密着をするためにはJリーグはいい手本となりますがいまや飛ぶ鳥を落とす勢いのサッカーもかなり回り道をしたのではないでしょうか。
関東の人は巨人については飽き飽きしておりかといって関東の他球団を自分のチームとして受け入れている人は少ない(千葉地区のロッテは一筋の光ですが)
かといって阪神などを受け入れている人も正直少ない(阪神の場合関東での去年の優勝決定戦ーT-G戦が12.2パーセント、通常のデーゲームが5パーセント以下)。
私は野球は問題山積でかなり厳しい状況だと思います。
投稿者 とむ : 2006年04月18日 13:49
上の脱関東は脱東京マスコミの意味で使いました。
あしからず
投稿者 とむ : 2006年04月19日 07:20