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2006年12月18日

[Hawks]

フロントのいい仕事

このところ仕事と毎日連続の飲み会に追われ、全く更新ができなかった。

が、その間、吉武が小久保の人的補償でGに移籍、多村の入団会見、そしてSwallowsを自由契約となったガトームソンとの契約、といったサプライズに満ちた1週間。

それにしても、このオフのHawksの補強ときたら、実にアグレッシブ、かつ的確だ。

Giants化を指摘する声もある。
が、それはHawksのことを余り知らない野球ファンの言に違いない。Hawksというチームを見てきたなら、逆に、その実に的を射た補強に舌を巻く。Giantsの場当たり的補強とは、全く異質な、しかも相当にレベルの高いものだ。全く一緒にはならない。

昨オフ、Hawksは城島という攻守の要を失った。が、それを機に若手を育てようと決意、バティスタをも解雇しポジションを空けた。
一時的に活躍したり、その将来性、可能性を垣間見せた若手はいた。が、結果としてみれば、そのチャンスを見事に掴んだ若手はいなかった。

ここで、Hawks王監督とフロントは、自らの過ちに気付く。
若手には育って欲しい。出て来て欲しい。だが、チャンスは自ら得るもの。与えられるものではない。
若手の登場に期待はしても、首脳陣の側からポジションを与えてはならない、それは若手のためにならないという猛省である。

そこで、今、足りないポジションを着実に補強する方針に切り換える。
この数年間の主力の流出で空いたポジションを穴埋めし、できれば複数選手に競わせる。その高いレベルの争いのなかで、若手に「自分で出てこい、出てこなければ、このままプロ野球選手を辞めるしかない。」という、若手にとっての最後通告にも近い強烈なチーム方針。
かといって、その補強後の状態で、若手のチャンスが全く無いかといえばそうでもない。そこのバランスの取り方も絶妙だ。

打線でいえば明らかに、右の大砲、そして打率も稼げる中距離砲を欠く。野手としては、内野では2塁、3塁を欠き、外野も信彦が入っているようでは心許ない。いや、信彦も懸命にやってはいる。だが、あのレベルの外野を奪えない若手が情けない。
そして、投手では、先発4本柱に次ぐ、5枚目、6枚目。


3塁には、小久保が入った。とはいっても、これは補強ではない。本来、そこにいるべき人間が、異常な事態によっていなくなった、その異常な状態から回復しただけの話。
Gファンの中には、Gのことにしか興味がないらしく「小久保は実質2度目のFA」などとトンチンカンなことを述べている方もいらっしゃるが、Gへのトレードが小久保の望んだものでなかったのは、Hawksファンなら周知の事実。

そして、2塁は今季終盤、本多が守っていたが、レギュラーを獲得したというところまではいっていない。そのまま、本多がレギュラーの座を射止めるのか、他の選手が割ってはいるのか、要注目だ。

そして、外野に多村。秋山タイプの多村が外野の一角を守る。これは実に心強い。が、これで外野が盤石かといえばそうでもない。多村と大村はほぼ間違いない。が、柴原はシーズンを通してレギュラーを張ってはいない。ここに若手のチャンスがある。

そして、先発陣。和巳、渚が右、和田、杉内が左と、4本柱の左右のバランスはいい。そして、今オフ、左の先発候補として大隣を獲得した。が、いくら大学No.1投手であっても1年目からのプロの活躍が保証されているわけではない。
4本柱自体もシーズンを通して安定しているわけではない。事実、今季、4枚が安定して揃った状態だったことはほとんど無い。
にも増して、来季は試合数が増える。5枚目、6枚目の重要度が増す。
そこに、右のローテとしてノーヒッター、ガトームソン。日本での実績もあり、計算のできない外国人投手にコストをかけるより賢明だ。本人もローテを守るチャンスが欲しかったようだ。右の第3の先発候補だった寺原がいなくなった今、これ以上にない補強と言える。

ソフトバンク元年の補強も実に当を得たものだった。フロントの仕事としてなかなかのもの。さらにその質が高まっている。

その一方で、今オフの大道に始まり、吉田修司や岡本、宮地、鳥越などの功労者の引退に際し、挨拶の機会すら与えられなかった、そんなフロントの姿勢に疑問を感じたファンも少なくはない。
が、すかさず、そこに対しては、和巳や和田がフロントに物申す姿勢を見せた。
チームとフロントの間の僅かな綻びを放置せず自ら正していこうという、その姿勢をもった選手達。そこもまた、Hawksというチームの素晴らしさだ。

その中心にいるのが王監督。そして、その後継者、秋山。さらには、その後継者たる小久保。自らその良き伝統の継承者たらんとする信彦、そして宗則。投手では和巳。
打の柱、信彦が昨オフ、生涯Hawksを宣言すれば、投の柱、和巳も今オフ、メジャーにはいかないと宣言した。

チームの戦力分析と、将来を見据えた、ベテラン、中堅選手と若手育成とのバランス。そして戦力だけではない、チームの精神や伝統の継承までをも見据えたチームの将来構想。
ダイエー時代、晩年にズタズタにされたチームではあるが、ここには確かなプランがある。

ズレータ問題にしても、MLBのウィンターミーティングが終了した今にしてみれば、おそらくは他球団の動向も含めた的確な読みのうえでのことのように思える。まだ決定はしていないものの、最終的にはHawksとの交渉で着地を探ることになりそうだ。

いや、ホントに今のHawksのフロントと現場の長である王監督との一体感、そこの意志にブレがない、そんな状態のチームがどれだけあろうか。
これを考えただけでも、Hawksファンは幸せだと思える。
プロの現場にプロのフロント、そして、福岡での地域密着を越えた生活密着。
ソフトバンクに買収して貰って良かったと改めて思う、2年目のシーズンオフである。

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投稿者 zetton05 : 2006年12月18日 01:07

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ちょっとクルトンパパさん風味なタイトルにしてみました(でもないか?)。 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年12月19日 00:59

Comments

工藤、村松、小久保、井口と繋がるダイエー時代のお家騒動は治まったようやけど、ソフトバンクになってからのお金使いの荒さはまさに4~5年前のジャイアンツを彷彿とさせるものを感じます。

カラスコやバティスタなど外人補強におけるあからさまな失敗にとどまらず、裏での囲い込み・抱きこみなどに至る一連の数々。去年の陽くんや今年の大嶺くん、そして森福の件などあからさま過ぎた感がしました・・。そしてヤクルトに7億以上要求したガトームソンとは2億5千万で獲得。なんか変・・・。そんなことば考えてたら陽(兄)や甲藤がどう扱われるのか心配になってきました。

ズレータはいずれ残留になるとは思うけど、明らかに足元を見られとる。好きになって詳しくなったためにいろんな非の点が最近つとに増してきて困惑してます。

なんか最近、あまりにも勝ちを意識しすぎてよそのチームになってきとる気がする。

投稿者 不安 : 2006年12月18日 22:05

不思議ですね、同じチームを見とる筈なのに(苦笑)

確かに外国人に対しての投資の仕方は見直すべき。って、既に見直したようですが、それでズレータにケチるのはいかがなものかという意見もわかります。が、交渉の経緯を見守っていると、やっぱり間に代理人が入っていることでややこしくなっている感は否めません。

でも、金額と成功したか否かはともかく、バティスタ、カブレラ、カラスコ、といったあたりの狙いは、チーム事情に対し的確なピンポイントの補強でしたよ。少なくとも、FA選手や他球団の4番を集めるGiantsのやり方とは全く違うと思いますし、チーム状況を把握した凄く的確な補強をしていたと思います。

ファンとしては複雑な心境ですが、Hawksの囲い込みは最近に始まったことではないですね。90年代中盤に根本さんがHawksに加わって以来のこと。最近はまだマシなほうやと思いますよ、正直なところ。
(今は、他球団も含め、それができるのが優秀なフロント、という評価ですが、本来は、プロ野球界全体で、こうした行為が必要のない、透明で公平なドラフト制度を目指して欲しいとは思います。)

ガトームソンは先発ローテーションを守れる機会が欲しかったようですし、ズレータとの交渉は、足もと見られてますか?逆じゃないですか?
条件釣り上げを図った代理人の交渉に乗らずに、他球団、MLBの反応を見させて、自分たちの条件以上は無いことを認識させてますよね。

> 最近、あまりにも勝ちを意識しすぎてよそのチームになってきとる気がする。

自分は全くそうは思いません。
むしろ、初優勝以降のダイエー時代は、金が無いあまりに戦力補強をしなさ過ぎた。主力が流出しても、安い外国人を補強するばかり。そのままでは、いずれ根本さん時代の遺産を食いつぶすことが見えていた。
その意味では、ソフトバンクには本当に良いタイミングで買収して貰ったと思いますよ。
外国人には高い授業料を払ってますが、補強ポイントとしては決して間違ってない。そして、今オフの補強もそう。

ここ最近、雁ノ巣では、1軍に定着もできない若手が、練習もせずスター気取りで慢心しているとも聞きます。
そんな状況で、首脳陣自ら若手にポジションを空けて待ったのは間違いだったとの反省。そこからくる的確な補強。あくまでもポジションは奪うもの。

福岡に来て以来、ずっとHawksを見続けていますが、足りないポイントをピンポイントで補いながら、基本的には競争で生え抜きを育てようという今のフロントのチーム強化戦略は、最もバランスのとれたものだと思いますけどね。

投稿者 HiRO@zetton05 : 2006年12月19日 03:24

 ホント不思議ですよね。同じチームを見ているのに。
 今回の補強は秋山と工藤がホークスに来た時を思わせるものがあります。秋山が来たから野手が育った。工藤が来たから投手と城島が育った。来季はそんな歴史に新たな1ページが加わりそうでワクワクしています。
 ちなみに、ガトームソンはローテを蔑ろにされて何が何でもスワローズを退団したかったからの7億要求で、あからさまに獲得に動いたのは阪神とオリックスです。ホークスのフロントは迅速に適切な提示をして巧く獲得できたなと感心しました。

投稿者 さとし@快投乱打 : 2006年12月19日 17:14

そうですね。
ここ数年のHawksというチームは、90年代後半の根本遺産頼みでしたが、その根本遺産自体も少なくなって、抜本的チーム改革待ったなしになっていた。まさに今オフのような大胆な補強が必要な時期に来ていたと思います。
工藤、秋山をとったから2000年代前半の黄金期があった。
ここでの補強は、即効性も期待できますが、それにも増して5年、10年後への期待を感じさせます。
それにしても、ガトームソンを獲得したあたり、抜け目ない、というか、なかなかしたたかです、Hawksフロント。Good Job!

投稿者 HiRO@zetton05 : 2006年12月19日 18:49

さとしさんに1票?
秋山の自主トレメニューのメインディシュを小久保~松中と受け継ぎ、今はその2人の自主トレに松田・江川が弟子入りする。
こうしてHAWKSならではの伝統が受け継がれていきそうな予感がします。
今年入った高谷をはじめ若い捕手陣も和巳や和田・新垣・杉内らが育てていくことでしょう。

Gに近づきつつあるという意見はよく聞きますが、HAWKSは取る前にそれなりの代償を払っているのでG化することはないでしょう。

小久保は帰ってくること自体なんの問題もないし、工藤や井口も訳わからんうちに出ていくし村松や若田部もFA宣言しただけでOUT。

今のフロントはズレちゃんの対応以外はすべてGood。
準三冠の時あわてて複数年契約持ちこんどいて何を今更って感じです。
ズレちゃんは代理人の儲け根性が見え見えで、本年はHAWKSと福岡が好きだと言ってくれているそうで・・・・
こんな外国人に愛される球団もたぶんHAWKSだけだと自負しています。

小久保が松永と世代交代し、JOHが吉永をファーストに追いやり、そのファーストを松ちゃんが奪い取り、湯上谷を井口が、その井口を鳥越が、その鳥越を川崎が・・・・・取られた井口は浜名からポジション奪取し・・・チーム内での競争があって今のHAWKSがあるんです。
ほかに取られるくらいならとりあえず取っといて飼い殺しにするGとは違うっちゅ~の。

若鷹よ出てこい!!

投稿者 海鷹 : 2006年12月19日 22:24

【2つの道】

HawksのGiants化?馬鹿馬鹿しい。
ガトームソンまで獲ったのは知りませんでした。
いいピッチャーですよね。参りましたよ。

Hawksみたいに資金力のある球団が【正当な】補強するのは当たり前です。
Giantsみたいな【似非】ヤンキースでなく、真のビックチームになって欲しい。
一方でデトロイトやオークランドみたいに、
低経費でも、フロントの【発掘力】に賭けるチームがあってももよいですよね。
Fightersみたいに。

ぜひ【2つの道】を日本野球界に定着させたいです。

PS 鷹の巣に一言。お前ら、今年の森本や田中賢を見ただろう!!
  お前らの先輩みたいに、レギュラーを攫んだ例が目の前に
 あるんだぞ!!

投稿者 よね : 2006年12月20日 22:43

海鷹さん

> チーム内での競争があって今のHAWKSがある

まさにそう!
若手が、移籍してきた実績のある選手達を越えてポジションをとってきたから第1次黄金時代があった。
今オフの補強は、即時的な効果以上に、次なる黄金時代への大きな布石となる、そんな予感で一杯です。

本当に愉しみです。

投稿者 HiRO@zetton05 : 2006年12月21日 01:13

よね さん

チーム運営に見る2つの道。
いろんなスタイルで成功するチームが出てくるのが理想ですよね。

Fightersが北海道の大地に根ざし、Eaglesが東北仙台に、千葉にはMarines、そして、かつての野武士軍団を育んだ九州の地にはHawks、と地方への分散が進みつつあり、しかも、2003年以来、Hawks、Lions、Marines、そして今季のFightersと、4年連続で優勝チームが違う。チームカラーもそれぞれに違う。
こうした個性的なチームが覇を競い合うことこそ野球界の健全な発展に繋がりますよね。

楽観視はできませんが、かつてはGiants、今はTigersにおんぶに抱っこのセに比べ、少なくともパのほうがそれぞれに健全な方向に進みつつあるように感じてます。

投稿者 HiRO@zetton05 : 2006年12月21日 01:37

今年のホークスの補強は納得がいくだけでなく、その内容も近年になく素晴らしいですね。
まじめにストーブリーグを戦っていると思います。
2年前オフにバティスタを獲っちゃっり、アロマーに食指を伸ばしたときは、いくら井口や小久保が抜けたからといってそれはないだろうと、思ってましたが(^^;

ズレータの去就がわかりませんが、後は打順ですね。
どうするのかなあ。

投稿者 masaka2 : 2006年12月22日 08:27

masaka2 さん

> ストーブリーグを戦う

いい表現ですね。
アロマー、一時は決まったなんて報じられてましたけど、結局その春引退しちゃいましたからね。

masaka2 さんのお勧めは、2番多村でしたよね。
王監督は、近年、4、5番のランナーを還す打順を重視する傾向が強いので、4、5番を、松中&小久保か、松中&多村、どちらかで構成するんじゃないかと思ってますが、3番としてのタイプでいうと3番多村、4番松中、5番小久保かなぁ、と結局一番無難な感じに想像してます。ま、でもキャンプに入ってから次第でしょうね、きっと。

投稿者 HiRO@zetton05 : 2006年12月22日 13:14

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