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2008年01月23日

共存共栄モデルへの第1歩となるか

日本プロ野球を構成する12球団、いわば運命共同体。

野球は相手がいなきゃ始まらない。面白い白熱したゲームを魅せることができるのも、相手あってこそ。

この視点に立つとき、リーグあるいはプロ野球機構が放映権を一括管理し収益を分配するというMLB型のシステムは、間違いなく共存共栄に向けた方法論の一つと考えられる。

ところが、ご存じのようにこれができないのが日本のプロ野球界。
相手がいなきゃ始まらない。子供でもわかる当たり前の理屈が通用しない、哀しい現実。

そもそも、読売の拡販のために誕生した日本プロ野球。
その誕生から現在の歪みは必然であるともいえるが、読売新聞と日本テレビという全国ネットのマスメディアの力をバックに圧倒的な露出を誇った読売Giantsとその他、という図式はその後の球界の形に未だ大きなマイナス影響を与えている。

日本球界では、放映権をそれぞれの球団が直接メディアに販売する。従って、球団によってその放映権料もまちまち。
Giatns戦には高い値がつくため、セの球団はそれを頼ってきた。一方、Giants戦もなく、放映権の売り手がつかないパ・リーグ。
長く続いたこの図式のなか、パの悲鳴は、G戦の既得権益を守らんとするセ球団によって掻き消され、結果、球団消滅という忘れ得ぬ悲劇を生む。

が、この数年、G戦の価格下落の影響をモロにかぶっているであろうセ球団、遅々として進まぬ日本プロ野球機構の球界改革を尻目に、パは地域密着に活路を見い出し、インターネット中継のための事業会社を共同で設立するなど、独自の展開を試行錯誤してきた。

そして、このニュース。

パ5球団、CS放送独占放映権をソフトバンク子会社に売却

 パ・リーグの日本ハムを除く5球団が08年と09年シーズン主催試合のCS放送の独占放映権を、ソフトバンクの子会社GTエンターテインメント(東京、GTE)に売却することで合意したことが22日、明らかになった。日本ハムは他社との契約が残っており、今回の契約から外れた。

 外部組織に複数球団の放映権を管理させることは、野球界にとって初の試みとなる。GTEの権利取得費用は1シーズンで1球団あたり3-4億円程度とみられる。

 5球団はこのほか、ケーブルテレビ(CATV)などの独占放映権もGTEに売り渡した。さらに、パ全球団がGTEに対して08年シーズン主催試合のインターネットによる動画配信権を売却した。

 今回の売却は、多角的な試合中継により人気向上を図りたいパとネット動画時代などを見越したGTEの狙いが一致。国内のプロスポーツでは、サッカーのJリーグが放送権をリーグで一括管理している。地上波とBS放送の放送権は従来通り、各球団が直接各局に販売していく。

 GTEが取得したCS放送、CATVなどの独占放映権はリーグ戦300試合、交流戦60試合の計360試合。このほかパ主催のクライマックスシリーズやオープン戦も含まれる。


他社と契約の残る日本ハム待ちで、揃い踏み、とはいかなかったようだが、パ・リーグ球団として、放映権の一括管理・分配、共存共栄モデルへの試行といえそうだ。

パのコンテンツを一括して管理、販売することで、各球団が個別にメディアと交渉するよりも有利な条件を引き出せたり、それを公平分配することで収益増も期待できるかもしれないし、プロ野球コンテンツとしての新たな価値を創造できる可能性を秘めている。
まだまだ市場規模としては小さなCS放送のみで、地上波、BSは従来通りとのことだが、これが将来の大きなうねりになればね。

が、気になるのは、球団にとって重要なビジネスである放映権の一括管理が、球団オーナー企業の関連会社とはいえ、一企業に委ねられている点。
ソフトバンクの子会社ということで、ソフトバンクが受け皿を用意して一歩改革を進めた格好になるのだろうが、ここが一企業に委ねられるということは、その企業のビジネスとして利潤を追求すれば、仕入れは安く、売価は高く、といったことが起こり得る。上手く機能しないと、最悪の場合、逆に放送が減ったりとか、球団側の収入には繋がらないことも起こりかねない。

やはり、本来であれば、リーグかNPB機構として統括せねばならぬ部分だろう。
せめて、「パ・リーグの6球団」が自主的にやる形ではなく、「パシフィック・リーグ」自体が主導する形がとれればね。

でも、こうした動きが近年パに出てきたのはいい。

考えてみれば、特にメディア戦略に関して、パの球団にはしがらみがない。
セの場合、Giants=読売新聞、Dragons=中日新聞、BayStars=TBS、それに20%とはいえ、Swallows=フジテレビと、親会社にマスメディアがずらりと並ぶ。言わば、旧来のマスメディアの海にどっぷりと浸かっているのがセ。1球団、1企業のエゴを捨て、大局的見地から改革に踏み切らぬ限り、セントラル艦隊は上空から降り注ぐネットやCS等の新興メディアに沈められてしまうだろう。
比して、パには、2004年オフから楽天とソフトバンクというIT企業が参入した。ネットという新興メディアを背景に、新たなビジネス創出に積極的なフレッシュな企業の参画が、リーグ全体に有形無形に好影響を与えていると考えても良さそうだ。これとタイミングを前後して、福岡でのHawksの成功、千葉でのMarines、Fightersの札幌移転、そして、新規参入の楽天Eaglesの仙台、と地方への理想的分散と地域密着型の球団運営が功を奏しつつある。

Giants利権に縛られたセを巻き込むとなかなか前に進まぬことも、パだけなら機動的に動けることもある。
ここはいっそリーグの独立性を高め、パだけでも先行して改革できる部分はどんどんやってもらいたい。それを見て、Giantsにおんぶに抱っこのセ球団が気付いてくれて、徐々にセも歩調を揃える動きになるといいけどね。
プレーオフが重いセの腰を動かしたように。

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投稿者 zetton05 : 2008年01月23日 18:22

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Comments

こんばんは。
GTEが独占契約した良し悪しは別の話(年間3億は安いか高いか微妙なラインですね)として
同社がプロ野球というコンテンツをどう活用し、どう商品化していくのかにちょっと注目です。

投稿者 masaka2 : 2008年01月24日 23:48

masaka2 さん

> 同社がプロ野球というコンテンツをどう活用し、どう商品化していくのか

ホント、要注目ですね。
魅力的なスポーツコンテンツの在り方、活かし方を具現化してみせて欲しいものです。

Jスポーツの主要株主がGTEと契約するな、なんてことも言ってるそうですが、であれば、自分は間違いなくスカパー!の契約解除しますけどね(笑)

投稿者 HiRO@zetton05 : 2008年01月29日 01:21

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