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2009年05月21日
小久保裕紀の存在感
5/20 Tigers ● 2-3x ○ Hawks
その姿に予感があった。
10回裏、先頭の打席には信彦。投手はこの回から替わった江草。
打席に立つ信彦のその姿に、妙な力みや気負いがなく、スッと力が抜けて構えているように見えた。
「あ、これで決まるかも」
そう思った3球目、投げる瞬間からタイミングが合っている感じがした。3球続けたスライダーが甘く入る。バットがスッとその軌道へ。良い角度で打球が上がった。が、やや飛距離が足りないか…
いや、入った。バックスクリーン右横、最前列。
サヨナラだ!
ホームベース上でナインにもみくちゃにされながらも、無邪気な笑顔の信彦。
Hawksファンはこんな光景を観たかった。
昨年までなら、これに加えて、ベンチで握り拳、誰よりも嬉しそうな王さんの姿があったんやな──それを観ながら、ふと、そんなことを考えていた。……奇しくも、この日は王さんの誕生日。良いプレゼントになったね♪
信彦のサヨナラHRは4年ぶり!だそうな。
主砲の劇的な復活弾で幕を閉じた鷹虎対決第2ラウンド。
初戦、この第2戦と両チームのファンにとってストレスの溜まる試合展開。
そして、馬原が2試合連続で救援に失敗し延長となる展開。
そんな2試合を通じ、自分は改めて小久保裕紀の存在感を感じている。
2005年に始まった交流戦も5年目。
思い返せば、交流戦が始まった2005年、自分はこんな風に書いている。
お互い事前のデータが少ないというのも面白い。
言わば、目の前の相手と対峙しながら互いの素の実力勝負。
選手の素の実力。そして、相手と対峙したときに感じる雰囲気、それを感じとる嗅覚、そうしたものに対する適応力、対応力。その本能的感覚、嗅覚により優れたものが勝つ。
机上のデータという、余計なものが削ぎ落とされたソリッドな対決が増えるのは、それはそれで面白い。
打者にとっては、1打席、1打席での適応力、対応力、そして1試合の複数打席を通じての対応力が問われる交流戦。
そうした視点で見ると、今のHawks打線はまだまだ対応できていない。
ま、これに対応できるくらいなら、もう少し良い位置にいるだろうが(苦笑)
そんななか光るのが、前日は先制の犠牲フライを決め、この日も1死1-3塁からの遊ゴロで先制点を導いた小久保の打撃。
両試合の2打点とも、決して良い当たりではない。
が、ここが野球の面白さ。
今季、開幕以来、某巨大掲示板や某SNSのコミュニティでは小久保不要論が声高く論じられていた。(自分はそういうのを見る度に本当にファンか?と情けなくなる…)
アホか、と思いながらも、正直、小久保の衰え自体は否定しない。
が、それでも、昨日の犠牲フライといい、この日の内野ゴロといい、点を獲るための最低限の打撃を見せてくれている。ここが衰えたなりにベテランの域に達した小久保の頼もしさ。
自身の成績に対する私利私欲のないチームへの献身的姿勢、それを支える技術と読み。
その場面場面で、点を獲るために自分ができる最低限の仕事を見極め、そのための狙い球を絞ったバッティング。外野フライを打つならどの球か、内野ゴロでもいい、ならば何処に手を出すか。
本音を言えば、もう少しそういうバッティングのできる選手が増えて欲しいのだが、それだけに、それを実践し、得点を喜ぶ小久保の姿がより一層頼もしく見える。
その小久保に比べれば、良い意味でも、悪い意味でも、まだ信彦は自分の打撃へのこだわりが強い。
こういうボールはこういう裁き方で打ちたい、という自分の理想の打撃を強く追い求めているように見える。王貞治から受け継いだ、その理想を追求する姿勢は素晴らしいし、それはそれで現役選手でいる間はずっと持っていてもらいたい。が、ともすれば、それが力みにも繋がるし、時に相手バッテリーとの勝負より、自分自身を相手にしているような状態に陥ることがある。
最近の小久保にはその気負いや力みがない。
良い意味で「枯れた」感じがするのだ。
まるで「枯れた」アルダーボディのStratocasterを「枯れた」プレイで奏でるClaptonのような渋み。
それに加え、ちょっとしたタイミングでマウンドに駆け寄り声をかけるその姿勢。
もちろん、キャプテンの自覚もあるだろうが、自身がプレーヤーとして次のシーンのプレーに備えながら、他人のメンタルを気遣うというのは、案外難しいものだ。その意識を強く持っていなければできることではない。
ましてや、ベンチからマウンドに行く回数は限られている。2ボールとなったタイミングでいちいち行くわけにはいかないが、そんなタイミングでスッとマウンドに歩み寄る小久保の存在は大きい。
そして、
「馬原が打たれたら仕方ない。今日のは納得している。」
といったメッセージにも、チームへの目配りが溢れている。
それでいて、時にヘッドスライディングの気迫を見せ、守備では泥臭くがむしゃらにボールをおさえにいくその姿勢。
交流戦という、目の前の一瞬、一瞬への対応が迫られる環境で、その輝きを増すキャプテン。
サヨナラ弾を放った信彦の素直なバットの出方を見ていると、あの場面、決して本塁打を狙ったのではなく、後ろの打者を信用し、繋ぐために素直にスイングしたかのように感じた。
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Comments
「9回に小久保が出塁すると何かが起きる」と西村龍次さんが良く言ってますが、正確には起きるのではなく、起こしているんですよね、小久保自身が。
長谷川が絶好調であっても打順は小久保の後。だから松中も長谷川も力を発揮でるんだと思います。
投稿者 さとし@快投乱打 : 2009年05月22日 00:09
ご無沙汰しております。
阪神との二試合目、10回裏で、ナゼだか私も「信彦、打ちそう!」と思ってしまいました。
私には上手く表現できませんが、打席での雰囲気が違っているような感じがありました。
HIROさんも同じく感じていらしたのですね!
小久保の働きについては、私はもう少し打撃で・・・とは思ってしまいますが守備時にマウンドに駆け寄る姿は頼もしい存在です。
楽天の山崎や阪神の金本などを考えると、「衰え」を言い訳にするには早いかな~と思ってしまうのです。ファンの欲目ですかね?
私は「小久保不要論」とやらを唱えるつもりも、擁護する気もないですが、期待の高さからそんな意見も出るのでしょうか?
個人的には、柴原の二軍落ちがショックです・・・。
投稿者 のん : 2009年05月23日 06:56